おセンチ、って言葉はもう死語でしょうか?
わたしの小さい頃の少女マンガにはよく「おセンチ」って言葉があった。
おセンチ=センチメンタル、いま、リバイバルなんだな。って思うことがよくあります。
50代 懐かしい絵が、今
YOASOBIという歌手?ユニット?が流行っています。
この「夜に駆ける」のMV(ミュージックビデオ)、見たことありますか?
ああ懐かしい、と思ったのはわたしと同じ世代の人たちでしょう。
若い頃に読んだ「COM」というマンガ本に掲載されていた岡田史子さんのマンガを思い出したから。
そっくりな画風。
ああ、やはり歴史は繰り返すものなのだ。
多感な年頃に読んだ彼女のマンガは哲学的要素もあり破天荒なスタイル、うまいのか下手なのかぎりぎり思わせる画風。
けっしてメジャーなマンガ家さんではなかったけれど、あたしこんなマンガも読んでるんだぜ、と大人ぶるにはうってつけのマンガだった。
ほんとうのところ、内容はほとんどわからないままだったけれど、これ、この絵がいいんだよねー、って友人に話して自慢していた。
そんな話に、友人はまったく興味がなかったみたいだけど。
岡田史子さんはじめあの頃はいろんな画風のマンガ家さんがいて、「そんなマンガ風」なデザインが2000年過ぎたいま、もてはやされているんだなあと不思議な感覚。
40,50年経ってようやく陽の目を見るのはなんだか皮肉な気もする。
50代 音楽さえも懐かしい
マンガしかり、音楽もなんだか懐かしい旋律、と思う音楽が多い。
大ヒットしたヒゲダン=オフィシャルダンディズムのアルバム。
ここでもまた、ああ、懐かしい、と思わずにいられない。
70年代のR&BとAORと80年代の歌謡曲と。
ご両親が持っているレコードをそっと取り出して聞いている、そんな男の子の様子が目に浮かぶ。
50代 センチメンタルが止まらない
そんなことしなくてもいまはどんな年代の音楽だって聞ける、便利な世の中になった。
この言葉の意味は何だろう、と思ってもスマートフォンですぐに調べられる時代になった。
辞書をひいたり百科事典を引っ張り出したり、図書館に行っていくつも本のページをめくらなくても瞬時にして情報が得られる時代になった。
それが良いことなのか、良いんだろう、きっと。
でも本の湿気た匂いの中でわくわくしながら、いや時にはうんざりしながら調べ物をする、あの時間が懐かしい。
おセンチ。
最新なのにセンチメンタルな気分にさせられるこれらの絵や音楽は、わたしの、わたしたちの生きてきた足跡なんだろう。